制度の概要と背景
長崎県は日本で最も離島の数が多い県(51の有人離島)であり、壱岐、対馬、五島列島をはじめとする離島地域は県の面積の約4割を占めています。しかし、人口減少と高齢化が急速に進み、地域の存続が危ぶまれる島も少なくありません。
この補助金は、離島への移住者を増やし、地域の活力を維持・向上させることを目的としています。移住に伴う初期費用の負担を軽減することで、「離島で暮らす」という選択肢を身近なものにします。
近年はテレワークの普及により、都市部の仕事を続けながら離島で暮らすという新しいライフスタイルも可能になっています。
補助金額の内訳
引越し費用補助:最大20万円(実費の2/3)
家賃補助:月額最大2万円×12ヶ月=最大24万円
生活立ち上げ費用:最大16万円
合計最大:60万円
引越し費用には船舶・航空便の輸送費も含まれます。離島への引越しは本土間の引越しよりも割高になるため、輸送費の実費の2/3を補助することで負担を軽減します。
家賃補助は月額最大2万円を1年間支給します。離島の家賃は本土に比べて安いものの、移住初期の負担を軽減する効果があります。
生活立ち上げ費用は、家具・家電の購入、自動車の島への輸送費用などに充てることができます。
対象者の要件
以下の要件を満たす方が対象です。1. 長崎県の離島に新たに住所を移すこと(県外からの移住またはの離島以外からの転居)。2. 18歳以上60歳未満であること。3. 1年以上の居住を予定していること。
4. 離島で就業または起業する意思があること(テレワークも可)。5. 過去にこの補助金を受給していないこと。
家族での移住の場合は、世帯主が代表して申請します。子どもがいる世帯は加算がある場合もあります。
申請手続き
申請は長崎県の地域づくり推進課または移住先の市町の担当窓口で行います。移住前の事前申請が推奨されていますが、移住後3ヶ月以内の申請も受け付けています。
必要書類は、補助金交付申請書、移住計画書、就業予定証明書または起業計画書、住民票(移住後の場合)、引越し費用の見積書・領収書などです。
テレワークで現在の仕事を継続する場合は、勤務先からの在宅勤務承認書等の提出が求められます。
審査後、交付決定通知が届きます。補助金は引越し費用と生活立ち上げ費用は一括、家賃補助は四半期ごとの支給となります。
離島暮らしの魅力と注意点
長崎の離島は美しい海と豊かな自然、独自の文化、新鮮な海産物が魅力です。五島列島は世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産がある歴史的にも価値の高い地域です。
一方で、台風の影響による交通の乱れ、医療機関の限られた選択肢、買い物の不便さなど、離島特有の課題もあります。移住前に「お試し滞在」を経験することを強くおすすめします。
長崎県では「ながさき移住倶楽部」を運営しており、移住体験ツアーや先輩移住者との交流会など、移住前に情報収集できる機会を豊富に提供しています。
離島での生活は、コミュニティとの関わりが都市部よりも密になります。地域の行事やお付き合いを楽しめる方に向いている暮らし方です。
